第42回英語自主学習支援講座『マジカルワークショップ』〜映画で磨く異文化観とことば観〜資料より
2015年6月27日(土)13:30〜17:00
題材映画:『English Vinglish』
邦題:『マダム・イン・ニューヨーク』
監督:ガウリ・シンデー
主演:シュリデヴィ
製作国:インド
公開年:2012年
配給:Eros International Ltd.
上映時間:134分
言語:ヒンディー語、英語
あらすじ:
インドに住む2児の母シャシはお菓子作りが得意な専業主婦。英語が苦手で、夫と子どもにばかにされている。そんな彼女が姪の結婚式の準備のため単身ニューヨークへ行くことに。英語ができないがゆえの失敗が続き、”4週間で英語が話せる!(Learn to SpeakEnglish in 4 Weeks)”と宣伝する英会話学校へ通うことを決意。さまざまな国、地域から来た生徒たちと優しい先生にかこまれ、シャシは英語にも自分にも自信がもてるようになっていく。
背景:
ヒンディー語は憲法によって連邦全体の公用語に指定されている(英語は”準公用語”)が、もともとはインド北中部のみで話されている言葉なので、南部ではあまり使われない。この教師は、インド南部ケララ州のコッタヤムの出身だと語っている。ちなみにこの映画も、このヒンディー語版のほか、南部で使われるタミル語でも製作されていることからも、インドの複雑な言語事情がつたわってくる。
Focus 1 :
朝の光景(Chapter 1. 00:02:00)
- 朝ごはんの準備
- 新聞
- 表札(表札がある文化、ない文化)
Focus 2:
家族の中での会話言語(Chapter 1. 00:04.10)
- Shashiの英語発音: Jazz dance
Focus 3:
娘の通う英語学校(Chapter 2. 00:12:00)
- 聞く≠話す
- ”loo”(イギリス英語特有)
- ヒンディー語が苦手なインド人英語教師
Focus 4: モールで買い物(Chapter 3. 00:23:20)
ノンバーバルコミュニケーション:ハグの習慣差
Focus 5: ビザ面接(Chapter 3. 00:24:10)
- 言語差と「威圧感」
Focus 6: 空港見送り (Chapter 3. 00:25:30)
- 英語練習(娘と夫のシャシの英語に対する見下しかた)
- ノンバーバルコミュニケーション
Focus 7: 飛行機(Chapter 3. 00:29:09)
- cell phone
- 隣人の助け
- ”Veg or non-veg?”(インド英語)
- 機内エンターテイメント
Focus 8: 入管(Chapter 4. 00:32:00)
- 英語non-nativeに対するコミュニケーション姿勢(聞く態度、話す態度)
- 語順、文法
Focus 9: マンハッタン(Chapter 4. 00:35:42)
- 人々
- 街並み:通りの番号
- ファッション
- 歩く早さ
- 移動手段
Focus 10: 姉の家でのテーブルトーク(Chapter 4. 00:37:00)
- 異言語、異文化に囲まれる心境
- 家族への電話(家族の態度)
Focus 11: 家の中の様子(Chapter 4. 00:39:00)
- 家の中にあるもの、部屋のレイアウト、家の外観、家の外の様子など観察
Focus 12: ワシントンスクエア(Chapter 5.00:49:00)
- マンハッタンの公園での注意:夜間の立ち入りは命が危険
- 人をじろじろみない、話しかけられても無視するのが無難
Focus 13: カフェのハードル(Chapter 5. 00:41:10)
- シャシの視点で店内の様子の観察
- カフェなどで定番のやりとりのハードルの高さ(全てchooseする)
- 店員のノンバーバルコミュニケーション
- 店員のアクセント(なまり)
- 客のバーバル、ノンバーバルコミュニケーション
Focus 14: バスの広告(Chapter 5.00:45:00)
- 瞬時に電話番号を記憶するシャシ
Focus 15: 初めての国内電話(Chapter 5.00:47:00)
- 市外局番(212)
- 要件を伝える
- 敬語、電話でのマナー
- “Who am I speaking to?”と尋ねるスタッフvs“Madam”と問いかける(年上の)シャシ
- “Slow, slow”(語彙反復)
- 道案内
Focus 16: 初めての一人旅(Chapter 6.00:49:00)
- 地下鉄構内、地下鉄内の様子
- 地下鉄警備員
- 街の中にあふれる通りの番号
- 道を尋ねる
Focus 17: 英会話学校(Chapter 6. 00:51:25)
- be動詞の欠落
- 前置詞の誤用
- 3単現の欠落
- 語順
- アクセント(なまり)、会話スピード
- 教員が生徒を”darling”や”my love”を付けて呼ぶ意味
Focus18:英会話学校(Chapter 7.00:58:08)
- シャシとローランの対話:水を人からもらう
- レッスン光景:学習ターゲット(冠詞。シャシの質問)
- ”What is your good name?”:インドらしい、やや古風な「ご尊名」の尋ねかた
- レッスン後のクラスメート同士の対話
- Nescoffee:インスタントコーヒーのネスカフェはインドではとても人気で、ネスカフェを出すチェーン店も出ているほど。シャシがニューヨークのカフェで「Nescoffee」と注文してしまったのもそのため。
Focus19: 英会話学校(Chapter 8.01:05:24)
- 遅刻するシャシ
- レッスン外でのシャシの自主学習姿勢
- ”MayI… ?“の表現を学ぶ。
- ローランもレッスン後にMay I ….とシャシに接近
Focus20: ニュースの天気予報を見て英語の自主学習(Chapter 9. 1:17:20)
- シャドウイングやリピーティングをするシャシ
- 文字も確認しながら読み上げ練習をするシャシ
Focus21: クラスでのショートスピーチ(Chapter 10.1:20:10)クラスメート同士の会話
- 「クラス」内の人間関係
- ゲイである教師への配慮
- “David Sir”という呼びかた=「デービット先生」
Focus22: DVDを見て英語を自主学習(Chapter 10. 1:25:55)
- 未知語との遭遇
- 姪の説明方法(定義ではなく例で示す語彙の意味と使い方説明)
Focus23: ローランの言動
- 自分の知らない言語(ヒンディー語)でもわかる言葉(EmpireやFrench Fries)をキャッチするローラン
Focus24: シャシの姪の行動
- 姪にとっては「デービット先生」=Professor David
- “I’llgive you my card.”の”card”
- レッスンの様子をパーティーフォンを使って知らせるローラン
Focus25: 卒業試験の前日
- 電話:母語でシャシに思いをつたえるローラン(英語版では、ローランのフランス語のセリフには字幕はない)
- シャシの心境を思いやる姪
Focus 26: 結婚式の準備、服装、食べ物
Focus 27: 結婚式当日の様子、服装、スピーチ
- 参列者の注目を集めるグラスの鳴らし方とスピーチの開始
- スピーチ時の目線、態度、ことば
- 英語が苦手だと決めつけるシャシの夫、娘の態度
- シャシによるスピーチ
- David Sirによるスピーチ
- シャシの夫、娘、息子の態度の変化
※日本語字幕には残念ながら誤訳が数カ所あります。日本語字幕で観る際には見つけてみて下さい。
ワークショップではこのFocus pointの他に部分的にスクリプトをご用意して学習材料としました。
by Seiko Oguri
assisted by Kota Sasha Oguri