自主学習支援特別講座 Magical Workshop 第25回 〜音読が広げる英語力〜
日時:2014年1月29日(水)17:00〜19:00 場所:192B教室 講師:小栗成子
内容:
声に出して文を読む、ということは中学の授業での苦い経験など悪印象ばかり?学年があがるにつれて、声に出して文を読むことが減り、大学に入ってからそういえば音読はしたことがない?今でもせっせと音読してる・・という人はどうやって音読をしていますか?何か特別に気をつけていることはありますか?
本講座では音読が何に役立つのか、どうやって「英語力UP」につなげるのか、どんな教材を選び、どう練習するのかを紹介しながら、音読と黙読の違いや「読める」ようになることとは何かを、実践しながら一緒に考えます。
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1. 「読める」ために必要なこと
- 語彙知識だけでは読めない(構文を読み解く力、文法力、類推力、文と文との意味を統合する力、背景情報の活用、ロジックの組み立て・・・・etcといった多様な処理が行われている)
- 語彙力はなければならないもの。しかし、それだけでは「読んで理解」できない。
- 語彙力だけで、母語への単語レベルで置き換え(よくいう訳読のうちの、よくない方法)だけで「読めた」と思うのは危ない。
2. 「読める」ようになるための『音読』
- 「音読」の目的:視聴覚入力→語彙(メンタルレキシコン)認知処理+音韻符号化処理。このプロセスを高層化する訓練によって効率的に読めるようになろう、という練習。(声を出す運動機能のトレーニングにも)
- 「音読」の方法:何を、どのように、どんな早さで、何に気をつけて行うかが問題
- 「音読」の注意点:棒読み禁止(助っ人:パラレルリーディング)、構文・文法の理解(助っ人:スラッシュリスニング)
※ご褒美※音読は脳トレにも効果的
3. 「読める」ようになるための学習方法バリエーション
- Listening<model input>Slashlistening (reading)
- Mumbling
- Parallel(synchronized)reading
- Prosodicshadowing
- Contentshadowing
- Repeating
4. 各学習方法の留意点
- パラレルリーディング:モデルを無視しない、追い越さない、息継ぎ(ポーズ)を合わせる
- 個人読み:モデルと一緒にやった感覚を思い起こす、クセを直す、録音する、鏡をみてみる
- リード・アンド・ルックアップ:句や節単位で黙読→一時的に記憶→声に出す→徐々に単位を長くする
5. 学習上一番注意したいこと
- がむしゃら、ハチャメチャな音読を許さない:充分に(よい)モデルを聞いてから練習
- 内容理解や文構造理解を無視した音読を許さない:モデルを聞きながら、スラッシュリスニングも可
- 儀式的、形式的音読を許さない:方法、順番を変えてみる、時間(日)を置いて、反復してみる<分散型学習(コロコロ毎日、メニューを変えて非計画的に学習するのとは違う。)
- 目標を立てて実践→振り返る→反省→改善(反省→落胆→放棄・・とは違う。)
6. 教材・参考文献紹介
- おすすめ教材:Reading Advantage1-4 (third edition), Casey Malarcher. Cengage ※SI Roomに有
- 音読で英文法をモノにする本. 岩村圭南. アルク →音読で英文法をモノにするドリル―どんどん音読、めきめき上達! 岩村圭南. アルク 978-4757410084
- 英語シャドーイング練習帳. 玉井健ほか、コスモピア
- シャドーイングと音読の科学.門田修平. コスモピア
〜今日の受講者の感想から〜