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Reading Strategies by S. Oguri

11月 15th, 2013 | Posted by Seiko OGURI in CLASS: TOEFL | Study English (reading)

読み手のレベル、読むものの内容、読物の構文や語彙の難易度、読み手の知識によって、読み方は異なります。これがベストな読み方である、というような読み方はありません。

ここで提案したいのは、今までの読み方から脱却して、読むものに(前よりも)一歩近づき、内容を(前よりも)誤解なく、また(前よりも)できれば時間をかけずに、(前よりも)正確に読むにはどうしたらよいかということです。あくまでも練習方法ですから、ここから力を形成して、徐々に読み方も変えていく必要があります。脱却したくない、今までの読み方がいい・・・それでも読めるようになるかもしれません。どちらも試してみてはどうでしょう。

幹と枝の部分だけをしっかりとつかむ

文には幹と枝、葉っぱと花(飾り)がついています。全ての文字情報を平にならべてしまわず、どれが幹でどれば枝、どれが飾りかをしっかりと整理していくことが重要です。

トピックを把握する

  1. タイトルがあれば読み、タイトルが示すトピック(ジャンル)に焦点を当てる。(そこから頭を離さないように集中することが肝心。注意力が散漫になる人は要注意。)時々、タイトルが意味不明のものがあります。許してあげてください。
  2. タイトルがなければ、最初の段落の書き出しで、トピックを類推します。トピックセンテンスが最初にある場合が多いためです。時折、最初は助走でその次にトピックセンテンスがある場合や、トピックセンテンスがはっきりない、という場合もあります。その場合は最初の段落を読む必要があります。
  3. 各パラグラフの、最初にセンテンスだけを読んで、1.で発見したトピックに関して、書かれているかをチェックします。また、書かれていることが、そのトピックについての「+」(肯定的)な内容か「-」(否定的)かをチェックします。
  4. 各パラグラフを、最初から(焦点をトピックに当てつつ)読むみます。

飛ばし読み

  1. 飛ばし読みでパッセージ内容全体に何がかかれているかをスキャンすることができます。
  2. 飛ばさないで読むのは、2通りあります。
    • パラグラフ最初(それがトピックセンテンスでなければトピックセンテンスを)+最後のパラグラフの最後(またはその付近)
    • パラグラフの最初と最後
    • どちらであれば自分がほぼ確実に内容を類推できるか、やってみて下さい。
  3. 飛ばし読みをする意図は、葉っぱにかくれた枝や幹を見逃さないためです。幹も枝も葉も花も全部同じ重要度ではありません。一番逃してはならないのは幹。これにどんな枝や葉、花がつけられているかを整理するために、惑わされないようにするテクニックが飛ばし読みをして、幹の様子をまずとらえるという方法です。

単語との格闘

  1. 解らない単語?!本当は、その場その場で単語を調べてしまわないで、前後から「品詞」が何であるかをまず推測しましょう。そして、「これは名詞でXという単語」と頭に置いておきます。再度登場してくるかもしれません。
  2. 各パラグラフを読み、そのXが複数回登場してくれば、その単語はそのパッセージ全体でキーワードでしょう。キーワードが分からないのは、正しく理解する妨げになる!どうしてもこの単語の意味が分からないと全体が理解できない!となれば、辞書を引きます。

設問のあるなし

  1. 設問がある場合は、次に設問を読みます。どこの焦点を当てて読ませようとしているかが分かります。設問には応えようとせず、選択肢は読まないで、設問だけを読みます。どこに焦点を当てるか、心づもりをします。
  2. 最初にもどって、推定した「トピック」「主旨(main idea)」に沿って、本文を読みます。
  3. 読み終えたら、設問に回答。ここでは振り返り読みを、できるだけ減らせるように意識して行くことも、読みの強度を高めるのに役立ちます。何度も読めばいいや、という姿勢は読みを強くしません。そのときできなくても「次こそは」と思って挑むことが、読みを変えていきます。
  4. 設問がない場合は、各パラグラフに何がかかれているか、サマリーを考えてみる、パッセージ全体のサマリー(main idea)を考えてみることが、読むことのゴールです。全体を読みおえて誰かにそのパッセージを伝えようとする時、何をどのくらい説明するでしょうか。それができるようになることを、目標にしてください。
語彙チェック
  1. 全てを終えてから、ようやく語彙チェックです。解らない単語、気になった単語を必ず辞書を引きノートしておきましょう。単語、品詞、必要な場合は発音のアクセントなど、そして意味を書きます。意味はその文の中での意味を必ず書きます。
  2. 辞書が重要だとしている意味と、読んだものの中での使われ方は一致しない場合もあります。出逢ったときの使われ方(意味)は下線を引いておいたりして、自分で振り返れるようにしておくと、ノートが一層生きます。

 

積み重ね読みと3D読み
  1. 積み重ね読み:その方法は、
    • 条件や要件等キーワードから積み重ねていく読み方です。
      • たとえば、まずタイトルやテーマ、トピックから文章の内容を推測していきます。
    • 文章を読み進みながら、マッピングしていくようにキーワードを拾っていきます。このように、キーワードを拾っていく間に、自分の推測が間違いと感じたら、すぐに軌道修正します。
    • 方法は、マッピング以外にも、フローチャートや色分け、イラストに描いてみる、などの方法があります。
  2. 3D 読み:語句や文を全て平面的に並べて考えるのではなく、内容を立体的にとらえる読み方です。
    • 文中の「主役」と「脇役」、そして「背景」「大道具」「小道具」など頭の中に舞台をイメージして、「立体的」に文を読んでいく方法です。
    • イメージ力がある人は、この方法をぜひお試し下さい。

 

読解力を身につけるためには、語彙同士の役割や関連、文の位置関係、情報提示の順序(語彙の順序、文の順序)に着目して、文と文との関連を確認しながら読み解いていく力が必要です。その力の形成には、とにかくい自分のレベルにあった文をどんどん読むこと。読めるようになれば、長文のリスニングもできるようになります。長文のリスニングが不得意だ、という人は、まず読み(音声付き)で、音と文字とを合わせていきながら内容を理解できるようにしていきましょう。

英文和訳

内容が分かっていないのに「和訳できること」を学習のゴールにしていると、もったいないことがおきます。「(適当に語をおきかえて)訳せればよい」?それでは、大量の英語が読めるようにはなっていきません。まず英語をそのまま英語で理解して、内容を整理する事をしてみたことはありますか?ノートして整理する人もいるでしょうし、頭のなかで処理できる人もいることでしょう。目標は、頭のなかで処理をして大量な情報を(本などを含む)を読み取れるようにしていくことではないでしょうか。

和訳する・・・という作業は、本当は英語を理解できるようになってからの「集大成」のようなもの。英語を日本語に置き換えるという作業には、まず日本語力(発想力、語彙力、構文力、遂行力)が必要になります。そして、文の主旨、意図を奥深くつかみ、英語で伝えようとしていることを、遜色なく日本語にし、発信しなおす能力が必要です。(口頭でも記述でもこれができるようなれば、逐次通訳になれますね?)「通訳なんて」と思っている場合には、その学習方法は適していないのかもしれません。(通訳をめざす人は、これを難なくどんどんこなしていかなくてはなりません。)要点がつかめることが最大のポイントです。

 

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原文公開:2005年12月13日(フレッシュマン英語授業)、改訂:2013年11月15日

※マジカルワークショップでもお話した内容です。第5回マジカルワークショップまとめ(2011年7月9日)

※参考テキスト:Reading Power 2, 3 (Pearson)

中部大学、小栗成子

 

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